
Q1、漢方治療を受けようと思うのですが、漢方のことをやさしくもう少し教えてください。
A1、皆さんが治療にあたって一番知りたいことは、西洋医学の治療と違ってどういう治療を行う
のかということだと思います。
第一に考えていることは、自然に還えれということです。われわれは、先にも申しましたが、
地球上に生息する生物ですから、地上に起こる自然現象に極めて大きく影響されています。
医書の黄帝内経(素門・霊枢)に述べられたように四季の運行に順応して健康状態を保持しなけ
ればならないのです。病気は、生命現象の一つで、宇宙全体の原理を把握する陰陽説が漢方の
原理でありますから、上手に自然に順応していくのが上手な生き方です。病気は七割までが寒に
よるものとされています。従って、衣服や寝具を几帳面に四季に適するように注意することです。
第二に、体質を重くみます。体質は各人各様ですから色々と分類できますが、体質とは母胎で
すでにつくられる体の性質です。西洋医学の体質は沢山在りますが、ここでは略します。ただ名
称は、特定の病気に罹りやすい体質によって分類されています。
漢方でいう体質は、かなり違った体質であるのを理解してください。というのは、西洋医学的な
体質よりもずっと、広い意味を持っています。虚証体質、弱い体質(病気に罹りやすい体質)で、
病気が治りにくい体質でもあり、病気に対して抵抗力が弱い、少し難しくいえば自然治癒力が弱
い腺病質の人。実証体質、強い体質(病気に罹りにくい体質)で、病気が治りやすい体質でもあ
り、病気に対して抵抗力が強い、自然治癒力も強く、病気も寄せつけません。
次に、漢方治療を上手に受けるためにはどの点に気をつければ良いかについて説明いたしま
す。
(1)主訴といって患者さんの最も苦痛としている病状を3つあれば重い方から、又急がねばなら
ない方から言っていただくことです。これは、症状を羅列的に述べるのではなくいつ頃からそうな
ったか、又他の医師にかかり治療中であるとか、治療中だがはっきりしないとか、病名がついて
おれば病名を言っていただくのが医者としても助かります。
(2)体質というのは大事なことなので、これも患者さんは生来暑がりとか、寒がりだとか、幼少
の頃は体が丈夫だったとか、弱かったとか、運動をあまりしないだとか、あるいは運動を良くす
るだとか、3度の食事は規則正しくするかしないか、食欲はいつもあるか、偏食はあるのか、あ
る場合はどの程度のものなのか、他には、便秘、下痢をよくするとかなどを言っていただくことで
す。
又更に、家族的に両親がおれば父親と母親とは分けて考えねばなりませんが、それぞれ現在
どんな病気にかかっているとか、又家族としては、このような病気になり易い共通性がある、ない
とか、又祖父母がどういう病気に罹った、あるいはどういう病気で亡くなったとか、を言っていただ
くと参考になります。
(3)主訴は同時にもっとも治してほしい症状でありますから、重要なものを選んでいただくと好
都合です。要するに漢方では、証の決定がなければ治療が始まらないのです。もちろん処方も
決定されません。医者としては、主訴と合わせてその他の難しいことを考えて証を決定して行く
のです。最終的には、5種類程度の処方薬を経験から取り上げてその中のもっともふさわしい処
方薬を選ぶのです。
(4)漢方治療と言っても皆さんはご存知無いと思いますが、鍼灸を主とする漢方治療、湯液を主
とする漢方治療、易の立場を主とする漢方治療、それらを折衷した漢方治療があります。医師の
中でもいろいろな立場をとる医師があるわけですが、いずれにしても治療時間が長くなりますの
で、1時間位の治療時間の余裕をもって来診することです。
(5)湯液に関しては、食前に煎じ薬として飲むことがほとんどの場合、基本になります。その
理由は、1番効果があるからです。その他は医者の指示に従ってください。鍼灸については行
う医者と行わない医者がいますが、即効性がありますが、時に少し痛みを感じる時もあります
が、医者と相談してください。
最後に少し話してもこのように膨大なものになりますが、漢方治療を上手に受けるためは以上の
ことを良く理解してください。
Q2、婦人科の病気について教えてください。
A2、婦人病一般論総論としてお答えいたします。
婦人の病気は過労などで虚することで冷え込みが重なり気のめぐりが悪くなり、月経不順となります。
冷え込みがつずくと血のめぐりも悪くなつて子宮の働きも悪くなつて経絡の流れもわるくなる。
そのため上焦にしこりが出来ると、唾液や痰を吐くようになり、長引くと肺瘍病となり身体が痩せてきます。
あるいは憂え悲しみすぎたり、いらいらして怒りつぽくなる。これらは精神的な病気ではなく月経不順の
ための病気である。以上のような状態がつずくと身体は痩せて冷え、脈は虚してくる。婦人の病気とゆう
ものは様々に変化するので、脈の陰陽の虚・実・緊・弦などを十分に区別して治療すれば、可なり重症な
病気も治すことが出来るが病症は同じようでも原因により脈は違うことに注意する事が必要である。
Q3、婦人の妊娠病について教えてください。
A3、婦人妊娠病総論としてお答えいたします。
妊娠は病気ではないのです、しかし妊娠中には色々な変調がおこつてきますので病気と勘違いする人が
あります。婦人が正常な脈で尺中だけ小さくて弱く、口が渇き、食欲がなく、悪寒や発熱が無ければ妊娠
です。閉経後六十日目ごろに現れやすい症状です。閉経後三十日目頃に吐かせたり下したりすると流産
します。妊娠すると脈は沈んでやや数で、やわらかい弦脈になります。口が渇くのは妊娠により裏に熱を
もつからです。
Q4、婦人の産後病について教えてください。
A4、婦人産後病総論としてお答えいたします。
産後には痙病、のぼせ、便秘などの病症を現わしやすい。産後は血虚になる。血虚になると陽が盛んになる。
陽が盛んになると汗が出る。この汗が出た時に風にあたると痙病、筋のひきつる病気である。寒にあたると冷え
のぼせ、頭からだけ汗が出るようになり、吐き気がして食欲はなくなる。また、血虚があるうえに汗が出るために、
津液が不足して便秘になる。脈は微で弱になる。以上のような経過を示す。